ネット銀2行の動向, ソニー銀行 1月 19th, 2010
ソニー銀行の2010年2月適用の住宅ローン金利が発表された。

変動金利、固定金利とも全て引き下げ、前月に続いて2カ月連続での引き下げとなった。同行開闢以来の住宅ローン金利の推移は、下図の通り。

マーケットの動向はというと、当行が参考基準としているスワップレート(SW)の動きは、下図の推移を辿った。

グラフだけでは十分読み取れないかもしれないが、この一か月全て上げている(SW1年+0.007bp、SW2年+0.003bp、SW3年+0.005bp、SW5年+0.010bp、SW7年+0.012bp、SW10年+0.005bp、SW15年+0.014bp、SW20年+0.025bp、SW30年+0.056bp)。
マーケット通りとすると上げてもよいところが挙って下げたのである。この一年間の中でSWが直前一カ月前と比較して全て上げた局面が今回を含めて3度(①2009年3-4月、②同年10-11月、③2010年1-2月)あった。その時の当行のローン金利改定は、①変動のみ下げ、他は据え置き、②全て上げ、③全て下げと対応は分かれている。
今回の金利改定が市場の動きに逆行する形で下げたのは競合他社との金利の開きが拡大し、需要取り込みにマイナス材料となりかねないとの経営判断があったのではないかと推測される。
即ち、当行が強く意識しているかどうかは別にして競合先の一つに後発ネットバンクで急速に貸付残高を伸ばしてきている住信SBIネット銀行がある。同行は、2009年11月30日に住宅ローンの実行額累計が3500億円を突破。2007年9月24日の開業日以来799日で到達している。しかも3000億円から3500億円までの500億円上乗せに要した日数は100億円毎に22.82日となり、3000億円までの100億円毎に要した日数23,96日よりピッチが上がっている。
当行の2009年9月中間期末の住宅ローン残高は5259億円、時点のズレはあるがその差は1700億円程度と未だ相当の開きはあるが大分迫りつつあるようだ。以下のような同行の思い切った適用金利も判断材料の一つに入れてのものではないか、その色が濃く出たものと見ている。両行の残高競争問題は、こちらでも触れている。
同行は、昨年秋から変動金利キャンペーンを実施しているが、1月からこれをさらに引き下げ幅拡大した変動金利限定キャンペーンを実施中(1月実行の適用金利:変動金利年0.975%)である(日経新聞にも記事となって取り上げられインパクトを与えた)。加えて、固定期間ものの金利は、1月全て据え置きとした。このため当行は前月一部スワップは上がっていたが全て引き下げを図って”差”を埋める動きに出たのであると。そして、今月もその継続延長線上にあると見ている。

住宅ローン業界の中でのネットバンクの存在意義は、貸付残高の着実な伸びとなって徐々に影響力を高めてきていると主宰は見ている。これは強まりこそすれ弱まることは当面ないだろう。引き続き注意深くウォッチしていきたい。
主要MBの動向, ネット銀2行の動向, 信託銀行4行の動向 1月 11th, 2010
信託銀行4行の1月の住宅ローン金利は、下表のとおり。

前月比欄の赤シャドー白抜きは店頭表示金利が前月比金利引き上げ、赤字下線付は前月比引き下げを示しています。4行が足並みを揃えたのは変動金利の据え置きだけ。それ以外は引き下げ、据え置き、引き上げに分かれました。背景はというと、長期金利の推移はすでにこちらで触れましたが、下げはあっても上げは考えにくいかという状況でしたが。
引き下げ後の適用金利は、下表のとおりです。

ネット銀行の1月の金利は、下表のとおりです。住信SBIネット銀行は前12月に続いて据え置き、ソニー銀行はこちらで報告のように全て引き下げです。

両行の引き下げプランを反映した適用金利は上記のとおり。注目点は、住信SBIネットの変動金利の引き下げ幅がー1.800%になった点です。同行は、2009年9月から2010年3月までキャンペーンとして期間限定で変動金利の引き下げ幅をー0.25%拡大してー1.750%下げる動きに出たことはすでにこちらでも報告しています。
今回の措置は、基準金利からの引き下げ幅の見直しです。即ち、変動金利の引き下げ幅を従来のー1.500%からー1.550%に拡大することとしたのです。これに期間限定のキャンペーン上乗せ引き下げ幅ー0.25%が加わってー1.800%になったというものです。
この結果、同行の変動金利の引き下げ後の適用金利は0.975%と1%を切ることになったのです。このことは先だっての日経新聞にも取り上げられていましたのでPR効果は十分と同行は喜んでいたのではないでしょうか。でも全国ベースでみると既にいくつかの銀行で1%を切る変動金利の適用(当欄ではこちらが一番古い記録でしょうか)が行われていましたので、こと改めて声を大にすることでもないような気がします。なぜならこうしたことが変動金利での借入を助長することにもなるということを主宰としては懸念します。
フラット35関係は下表のとおりです。

都銀4行の動向, 基準金利の動向 1月 9th, 2010
1月の大手4行の住宅ローン店頭表示金利は、下表のとおり発表されました。

4行の対応は、変動金利は変更なし、固定期間2年~7年まで各行揃って引き下げ。その幅はー0.050%(三菱東京UFJ、三井住友、りそな)~ー0.100%(みずほのみ)。固定期間10年もの以上は、みずほのみ10年をー0.050%引き下げ、他は据え置きとなりました。
これを受けて各行の金利引き下げプランを反映した適用実行金利は、下表のとおりです。

背景となった長期金利の動向は、下図の通りです。

長期金利はこの一カ月間目まぐるしく上下をして結局のところ直前日の水準比較では+0.025%の上昇でしたが、大手各行は10年未満のローン金利をー0.050%~ー0.100%下げました。これは12月の金利改定時に据え置きとした10年未満の下げを一か月遅れて実施したものと主宰は見ています。
ここでは長期金利を10年国債利回りで見ていますが、マーケットの実勢をよりきめ細かく見るという点ではスワップレートも併せて見ていく必要があろうかと考えます。その動きは当該期間(11月~12月の2カ月間)-0.100%以上の下げが見られた訳で、いわば追随したに過ぎないと言えるのではないかと。
一年前のこの欄では「下げ渋る大手銀行1月の住宅ローン金利」からスタートしました。2009年を通して主宰は、大手各行の金利反応度は”保守的”経営方針で臨んできたと見てきました。その結果はというと(→下グラフ参照):-

上左グラフはスワップレートのこの一年間の変動を見たもので、上右グラフは固定期間別の住宅ローン金利をみずほ銀行を例示したものです。スワップレートは2年~7年まで一年前の水準を下回り、10年以上は上回りました。ローン金利は一年前の水準を下回ったのは2年と3年だけ、他はすべて一年前の水準以上でその上げ幅はスワップの上がり幅以上となっています。
このような状況からもローン金利の選択に当たって変動金利を選択する借入希望者が多くなっているのです。そのような状況を踏まえてもなお主宰は変動金利の不安定さを考慮して判断してほしいと強く思います。