11月の住宅ローン金利が下表のとおり「店頭表示金利引き上げ」の発表となりました。

固定期間7年ものまでは、4行完全横並び(改定幅、店頭表示金利とも)が今月も継続となった格好です。10年もの以上については三菱東京UFJとみずほの歩調が合った形で、三井住友は10年もののみ前2行に同調した形、りそなは引き上げを見送ったために他の3行より0.1%低い店頭表示金利となりました。
これを受けて、各行の店頭表示金利からそれぞれの引き下げプランなどを反映した適用実行金利は、次のとおりとなりました。

今月は、引き下げ幅の改定などはなく、店頭基準金利の改定幅がそのまま適用実行金利の引き上げに繋がった形です。
ところで、今月は基本的には全期間引き上げとなったわけですが、その背景をいつものように参考基準金利の動向で確認しておきたいと思います。この一カ月の長期金利は、下図のような動きを辿ったのです(グラフ中右上「09年10月の推移」参照)。

この一カ月の長期金利は、月初10月6日に1.240%まで下げ後、一転して月中を通してほぼ一本調子のやや急峻とも思えるような上げを28日1.420%まで辿りました。月末にちょっと下げましたが、9月29日1.280%→10月30日1.405%と+0.125%長期金利が上がりましたので、ローン金利も全面引き上げとなりました。概ね、妥当な判断だったと見てよいでしょう。
振り返ってみると、前月も10年もの、15年もの、20年ものが大手4行挙って+0.100%の引き上げをしました。9月も同様でした。参考基準金利はというと、上図のように前月の上げを除けば基調的には右肩下がりのトレンドを辿っていたのですが。長期金利の動きと店頭基準金利の関係は、必ずしも常に一致するものではなく、経営判断と称する恣意性が加わってくるのは避けられないと予てより指摘してきています。

上左グラフは、長期金利(新発国債10年もの利回り。青線グラフ))の動きと固定期間10年ものローン金利(みずほ銀行)の店頭表示金利(赤線グラフ)と引き下げ適用後(当初期間優遇型ー1.7%引き後、但し、2008年3、4月は全期間引き下げ型ー1.0%)適用金利(緑線グラフ)を2年間にわたって見たもの、同右グラフは、同期間を2008年1月4日を1とした時のその後の金利水準を指数化したものです。
基本的には、ドラスティックな店頭表示金利の上下は避けて、平準化させるような意思が働いたのかと読み取れるような2009年3月頃までの動きでしたが、その後は基準金利の動向と店頭表示金利の動きが基準金利の下げに対して店頭表示金利の上げと徐々に乖離が見られるようになり、ここにきてその傾向が鮮明になったように見てとれます。どうしたのでしょうか?この疑問に答えるヒントの一つが下のグラフです。
スワップ金利の推移を見たものです(通常月中に発表されるソニー銀行の金利に絡んで当欄でも載せているあのグラフですが)。一目瞭然、期間の短いものは横這い乃至やや下げている一方、期間の長いものの上げが目につく推移ぶりです。なぜ長いものが上げてきているのか?正解は、残念ながら分かりません(誰にも分からないと言ったほうが正解です)。分かっているのは、この先超長期もの金利は今より上がると見ている市場参加者下がると見ている参加者より多い現れと言えるのではないと見ています。

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