日経新聞月曜日5面オピニオンページの「インタビュー領空侵犯」が好きだ。共感できる発言に出合うと思わず切り抜いてストックしている。以前にもここで取り上げている。
本日付同欄は、片山善博さん。キャリア官僚→鳥取県知事→慶応義塾大学教授の経歴の持ち主。ご存じ方(TVなどで見たことがある)は多いのではないかと思う。最近では、鳩山政権の目玉政策の一つである国家戦略室に「予算編成のあり方検討委員会」を設置する方針があるが、そのメンバーの一人に民間からの起用(純粋民間人ではないが)という趣旨もあってか同氏が起用されるとの報道がなされているが。
毎週楽しみにしているこのインタビュー領空侵犯だが、久しぶりに共感でき(私の気持ちを)代弁して頂いた、との印象を強く持ったので、少々長くなるが記事をそのまま引用させて頂きたいと思う。
―鳩山内閣は事務次官会議を廃止しましたが、事務次官ポストそのものをなくせと主張しているそうですね。
「今までの大臣は省庁のトップではありませんでした。事務次官が実質的な責任を取っていて、OBになっても影響力を行使しています。大臣などの政治家が責任をとり、幹部職員の人事もやるようになれば、官僚組織の頂点である事務次官はいりません」
「人事もやりやすくなります。今は基本的に局長以下の職員は次官よりも年次が下でなければいけない。優秀な局長でも長くやれなくて、次官が代わると辞めなければならない。事務次官というポストがあるから年功序列の硬直的な人事になるのです」
―「官僚たちの夏」ではありませんが、入省すると次官を目指して出世競争するのが霞が関のようですが。
「局長を目指せばいいじゃないですか。税や国際金融等専門分野でそれぞれトップになればいい。現在の富士山型の組織を連峰型に変えるのです。出世するだけが人生ではないし、その方が職員も幸せだと思います。そして、本当に役所のトップになりたいなら政治家になって大臣を目指せばいい。優秀な人なら政治任用で副大臣や政務官になれるかもしれません」
「今の事務次官は省庁の権益の守護者にすぎません。国民の利益に反することばかりしている。他の幹部職員も専門知識など持っていません。得意なのは根回しと場つなぎぐらいではないですか」
―ピラミッド型組織を改めれば天下りもいらない。
「優秀な人は定年まで勤めてもいいし、大学で研究者になってもいい。ただし、ピラミッド型なので途中で肩たたきをしなければならず、受け皿として天下りが必要だ、とう省庁の言い分は半分うそです。次官が一番楽なおいしいポストに天下っているのです」
「そもそも、天下り先を作ったとか、省庁の権益を増やしたかどうかで評価するのがおかしい。これは税金の無駄遣いだ、などど言ったらその職員にはバツがつきます。上司がそうだから若い職員も同じ発想になる」
―病根は深そうです。
「大臣が幹部人事を直接やるようになればすぐに変わります。ただし、国民のためになる組織にするには採用面も考えないといけません。国家公務員は未だに成績至上主義です。今の職員は社会正義や弱い立場の人への思いやりに欠けている。志や正義感、気迫などにあふれた若い人をもっと採用してほしいと思います」
インタビューの聞き手谷編集委員は:-
民間はもちろん、自治体と比べても中央省庁という組織は確かに硬直的だ。その原因の一端は大臣をタライ回しする政治の側にあった。政治が変わろうとしているのだから省庁も変わる好機だろう。エリート意識と一体となった過剰な責任感を見直すことが第一歩になる。「省益」という言葉ほどむなしいものはない。
と欄外で触れています。
中央省庁に代表される官の世界については、インタビューの中で相当触れていいただいている。民の世界は問題ないのかというと、決して無縁ではないというのが私の見立てです。昨今世間を騒がせている企業群はもちろん、表面化してはいない民でも同様の病根を抱えているのではないか、私はそう思って社会を見ています。
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