住信SBIネット銀行の住宅ローン貸出実績が累計1,500億円突破(下掲のプレスリリース参照)。「最速・倍速以上での達成」と。先発(ソニー銀行)を意識したコメントであることは言うまでもないところ。以前こちらで触れましたが、本当にそう言えるのでしょうか。改めて検証してみます。

両社の住宅ローン比較は以下の通り。

黄色シャドー部分に注目。条件に差が見られる項目です。
1.ソニー銀行は取扱手数料が定額42,000円。全部繰上弁済手数料無料。
2.住信SBIネット銀行は8大疾病保障特約団信保険料無料。収入条件や資金使途の対象が広いなど申込条件が緩い。
金利は、毎月レポートしているが:-
1.ソニー銀行は、スワップレートを参考に月央に翌月適用金利を公表して利便性を図っている。一律0.9%の優遇措置が適用中で、すっきりした納得感ある体系と言える。
2.住信SBIネット銀行は、ソニー銀行を強く意識した金利体系。常に優遇措置適用後の金利がソニーの水準を上回る水準に設定している。優遇措置も”ソニーを上回る値引き”を適用している。従って、基準金利はソニー銀行より著しく高い水準。それは市場との対話の中から出たものというより”先発の動向”をにらんで政策的に設定されたものと見られる。
こうした同行の戦術を需要サイドがどのように評価しているかは、ローン実績累計額が一つの物差しと言える。
住信SBIネット銀行のローンは、ソニー銀行のローンより有利か?総返済負担額で比較してみよう(下表)。借入金額2000万円(国土交通省調査の直近新規貸出額平均値)と期間30年(住宅金融支援機構発表の最新調査最多期間)を前提とした。

総負担額でソニー銀行が優位との結果。手数料が定額と定率の差は、金利の若干の優位性を埋められない。
上掲比較一覧の3大疾病特約欄に注目。ソニー銀行は保険料会社負担だが、財源を借入人から徴収している(基準金利+0.3%)。この場合を試算したのが下表。住信SBIネット銀行は、8大疾病特約と広範にカバーした上で会社が保険料負担(借入人負担なし)。差は歴然と言わざるを得ない。

条件が緩和されて嬉しい住信SBIネット銀行だが、借りやすいということは、場合によっては返すのに苦労する人をも債務者にしがちになることを忘れずに。
緩和措置効果を活用して借りたとしても後で苦労するのは債務者(収入が低くて借りても返済に窮するだろうし、諸費用を含めて借りても返済額が増えるだけ。借りる時に楽な思いをすると、借りた後返済に苦労する場面が容易に想像される)。果たしてどちらが債務者に優しいローン条件か。評価は借りるあなたの価値感次第ということに。
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