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軽井沢日記TOP » 住宅ローン, 住宅ローンアドバイザー » 下げ渋る大手銀行1月の住宅ローン金利
2008/12/31 水曜日 at 15:34:22

大手4行の1月のローン金利が発表になりました。本日現在、HPにアップ済みの三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行の2行とプレスリリースベースでの新聞掲載の三井住友銀行とりそな銀行の1月金利は、下表の通りに引き下げです(一部据え置き)。
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引き下げは、一口に言ってしまえば長期金利等の市場金利の低下を受けてということになります。引き下げ幅0.05%~0.200%は、最近の市場金利の動きから見るとやや下げ幅が抑えられてはいないかといった感じです。

この一年間の市場金利と住宅ローン金利の動きを振り返っておきたいと思います。下表は、2008年一年間の長期金利の推移を見たものです。
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一覧しての特徴点は、①年末の長期金利水準は、年初時点のそれを下回っています(12月30日1.165%-1月4日1.465%=▲0.300%)。②6月にピーク(1.880%)を付ける以前の底(3月25,26日の1.250%)からピークまで+0.630%上昇した。②6月のピーク時点から年末までに▲0.715%低下しました。

これを念頭に置きながら、住宅ローン金利とを見比べてみたのが下表です。
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表を見る際の留意点は、次の通り。①参考基準金利となる新発国債10年利回りは、1月には1月4日の金利を、2月~12月はそれぞれ前月末日終値をプロットしています。②住宅ローン金利は、みずほ銀行のローン金利を例示しました。大手都銀の中でローン金利が他行に比して低く設定しているからです。
さらに、住宅ローン金利が参考基準金利の上げ下げをどの程度反映した水準に設定されたかを見たのが下表です。
s-haneiristu-20081231.jpg
これによると、①年末の水準は、10年もの、3年ものとも年始水準以上となっており、国債が年始水準以下になったことと比較して下げ渋った印象で、年明け以降も引き続いてその推移をみていく必要があります。②年間を通して見ると、6月のピークを境に上げ過程では国債のピーク前ボトム時からの上昇幅以上に10年、3年ものとも引き上げられています。③下げ過程では、反対にピークから年末までの下げ以下に抑えられています。特に、3年ものは国債の下げの2割弱ほどの反映にしかすぎません。

結局、2008年を通して上げ過程では参考基準金利の上げ以上の引き上げが行われた一方、下げ過程では参考基準金利の7割から2割程度の下げに抑えられた住宅ローン金利の水準であったということで、総じて、下げ渋っているローン金利といえます。

では、なぜ住宅ローン金利は高止まりしているのでしょうか。足もとの金融経済環境は、先行き景気回復が長引きそうとの予想のもと下げ基調が顕著になっています。少なくとも年始水準を下回る金利水準になってほしいところではあったのですが、高止まりの背景には、金融機関の経営事情が考えられる一因です。

日銀レビュー2008-J-14(12月)の「銀行の住宅ローンを巡る最近の動向とリスク管理上の課題:マクロ的視点からの検討」に、このあたりの事情が触れられています。
それによると、
①バブル経済崩壊以降、企業の資金需要が伸び悩む中で、銀行は住宅ローンへの取り組みを積極化させた結果、1990年度から2007年度にかけて国内銀行の住宅ローン残高は、41兆円から98兆円へと2倍強増加した(住宅ローンが国内銀行の貸出全体に占める割合は10.0%から23.8%に高まった)。
②住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の貸出等を含めた、我が国の住宅ローン市場全体の規模は、2000年度以降ほぼ横ばいで推移している。
③こうしたマーケット事情から(一定の想定の下での試算結果ではあるが)住宅ローン貸出1年目の採算性は、店頭金利から調達金利を差し引いた値がおおむね一定で推移する中、金利優遇幅が大きく拡大したことに伴い、採算性がプラスからマイナスに転じている。
④その採算性を大手行と地域高を比較すると、地域銀行は経費が相対的に高い分、採算性がより低い水準にとどまっている。
⑤融資期間全体の採算性も悪化しており、特に当初固定期間の長い商品ほど、貸出1年目の低採算性が長期間続くことから、融資期間全体の採算性がより顕著に悪化している。
⑥最近では、当初固定期間経過後の金利優遇幅が拡大し、当初固定期間経過後の採算性も悪化している。

結局、住宅ローン市場をめぐる金融機関の過当競争(相も変らぬサラリーマン経営者による主体性のない日本的経営から脱却できない結果もたらされる振り子のブレ)により収益性が悪化してきたため、その改善を図るべく住宅ローン金利の水準訂正は、参考基準金利の上げ幅下げ幅の範囲未満という対応をとらざるを得なくなってきたことが挙げられます。加えて、リーマン破掟後の世界的な金融経済環境激変の中で、傷んだ自行B/Sの悪化を少しでも食い止めようとする動きとが重なって、本来ならもっと引き下げられてよいはずの金利の水準訂正が、”未満”で終わっていると言えます。しわ寄せがローン借入者に転嫁されてきていると言えます。

これから新たに住宅ローンを借り入れようと考えている社員の方は、いつも申し上げているように、予断なく情報収集を徹底して行い、比較考量して選別と選択を行い、間違いのない住宅ローンを借り入れるように慎重に対応すべきです。


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