10月24日、19時30分からのNHK特報首都圏「住宅ローンが払えない」を見た。
アメリカ発サブプライムローン問題が世界経済を震撼させている中、日本でも住宅ローンが払えず破綻する人が急増している。10年ほど前に景気浮揚策として住宅購入が推奨され、住宅金融公庫(当時=以下公庫、現住宅金融支援機構)が融資条件を大幅に緩和、比較的所得が低い人でもローンが組めるようになったことが指摘されている。将来の賃金上昇を見込んで無理なローンを組んだ人たちが思ったほど収入が増えない。2008年秋、多くが金利上昇となることからさらに増えるという。日本版サブプライムローン問題の実態をリポートした番組でした。
ローカル番組でしたのでご覧になれなかった方々と、残業や花金のお付き合いなどで見ることができなかった方々のために、簡単に紙上再録しておきます(これは決して他人事ではなく、あなたにも起こりうる自分の問題でもあるとの受け止め方が必要なテーマと思います)。番組では、住宅ローン返済に行き詰まり自宅を売却せざるを得なくなった独身Aさんの事例と、金利変動制の住宅ローン契約から見直しのたびに金利引き上げに悩むBさん一家の事例が紹介されていました。
<Aさんの事例>
Aさん(39歳、独身)は、8年前都内のマンションを購入しました。当時の年収は450万円。資金計画は次のようなものでした。
”当初は払えると思って買った”Aさんでしたが、購入後1年にしてマンション管理費月額11,840円の支払いに窮するようになり、ボーナス時にまとめて払って何とか追いつかせてきました。一昨年(購入から6年目)不況で会社のボーナスはカットされH19年2月以降返済が全くできなくなったのです。やがて公庫(現住宅金融支援機構)から「融資住宅売却のお勧め」なる文書が郵送されてくると、Aさんは”身ぐるみ持っていかれるのではないか”と恐ろしくなったと応えていました。先月、自宅の売却が決まり物件売却希望価格2000万円強に対し、成約は1850万円。売却手数料他を精算して結局450万円のローンが残ったということです。Aさんは自宅に住めなくなった上に借金450万円を今後返済していかなければいけなくなった、ということです。
<Bさんの事例>
Bさん(Bさん、妻、小4の三人家族)は、H13年に3LDKのマンションを頭金100万円とローン1770万円を借りて購入しました。ローンは民間銀行の金利優遇適用後当初2年間2.2%(以後数年ごとに見直し)という”一番安い金利のローンで組んだ”。月々の返済額は67,400円。金利改定の見直し時期が到来して月々の返済額が80,780円(+13,380円/月、+19.8%増)となりました。契約当初から金利見直し時期までに基準金利が1.4%上がり、そのために適用金利が引き上げられました。契約では次回H23年12月27日が金利改定時期に当たります。その時までに基準金利がさらに上がるようであれば返済負担はさらに増します。娘の私立中学受験を考えている両親にはこの先教育費の出費が重なる見込みの中で住宅ローン返済負担の増加が重くのしかかってくる現実に大いに頭を悩ませている、ということです。
コメンテイターとして登場のジャーナリスト山下和之さんは以下のようなコメントを残していました。
―頭金の少ない人や年収の少ない人といった本来なら貸すべきでない人たちにまで住宅政策の緩和・推進から貸し出しが行われていたので今後問題が噴出しないか心配している。
―ボーナス返済併用の人はボーナスでの返済時に行き詰まるケースが多い。サブプライムローン問題の発生が金融危機をもたらし、実体経済への悪影響となって景気が悪くなりボーナスが減ることが予想される。この冬のボーナス返済は乗り切れても、次回に行き詰まってローン破たん者が今後増えるのではないか心配している。
―住宅金融機構が救済策として用意しているメニュー(返済期間の延長=最大15年と元金据置期間の延長=最長3年)は、当面の返済額の軽減という緊急避難策という対症療法にすぎない。
―借り換える際には安心を優先して、少々返済月額が高くなっても金利固定期間の長いものに借り換えるように検討すべきである。
―たとえ都銀で借り換えを断られても地銀、信用金庫ほかをあたってみる。破綻する前に素早く行動することである。
―新規に住宅ローンの借り入れを検討している人へのアドバイスとして、物件選びに目が行きがちだろうが、ローン選びは物件選び以上に重要との認識を持つべきである。
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