冒頭から細かい話で恐縮です。10年前と言っても正確には平成10年10月16日から12月27日までの間に当時の住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)に住宅ローンを申し込んだ人で、未だ契約通りに返済継続中の方はいらっしゃいませんか?これはその方たちが対象の話です。
この期間にローンを組んだ人の適用金利が急上昇します。当時の住宅金融公庫は、二段階金利制といって当初10年間の金利は2.0%で、11年目以降4.0%に上昇します。住宅ローンの返済額が大幅に増えることになるから要注意!!この制度が運用されていた期間の中でも適用金利が最低水準に近かったために利用者も多かったと見られます。
事例で見てみることにします(返済方法は元利均等返済とします)。
これによると今年10月~12月に迎える11年目の返済が月々14,628円増加し、年間では175千円ほど負担増加します。この負担増加は11年目以降完済時までの20年間続きますので350万円程の負担増となります(収入が増える前提で考えられていた仕組みでしたからこのようなことになります。今から振り返って考えると”なんで?”と思うようなことでも当時は受け入れられていたのです)。
更に、注意すべきは11年目以降3年間の返済が元本部分より利息部分が多く元本の減少ペースが鈍くなるということです。借り入れ後10年間で538万円元本を返済したのに対して、11年目から13年目までは年間48万円、50万円、52万円程と借り入れ当初並みの減り方に戻り、14年目にして漸く利息部分より元本部分が多くなるといったことになるのです。まさしくこれは金利上昇のマイナス効果です。
繰り返します。10年前に住宅金融公庫から二段階金利の住宅ローンを借り入れた方は現実にこうしたことがまさに起ころうとしているのです。
考えられる対策を列挙すると:-
①繰り上げ返済・・・一つは繰り上げ完済です。これを行うには現金15百万円程度の返済原資が必要です。これを選択できる方なら既に住宅ローンを完済しているでしょうからここで検討を進めるのは適当ではないでしょう。もう一つは一部繰り上げ返済です。これなら現実的に考えられます。ただし、当時の公庫の規定では1回の繰り上げ返済金額が100万円以上です。まとまった貯蓄額が必要となります。イザという時に備えての貯蓄が手元に残っていなければ心細いです。繰り上げ弁済したら貯金ゼロということのないように考えてください。
②借り換える・・・これは繰り上げ返済より現実的な対策と言えます。借り換えとは新たに住宅ローンを借りて、その資金で公庫のローンを完済することです。公庫の金利が4.0%になるのですからそれよりも低い金利のローンを探すことです。借り換えには諸費用がかかります。これらを含めて負担軽減が図られるのかどうかを総合的に判断する必要があります。
住宅ローンの借り換えが有効な場合は、概ね次のような場合です。
〇残高1000万円以上・・・諸費用を賄っても効果を出すためのボリュームの目途
〇返済期間10年間以上・・・金額×金利差の乗数効果を得るための時間軸の目途
〇金利差1%以上・・・(既往のローン金利―借換後のローン金利で効果が出る目途)
一番重要なことを言い忘れるところでした!!
借り換えを検討される方は、少なくともこれまでの住宅ローン返済は契約通りに行ってきた方であること。即ち、返済遅延とかがなかった方が前提になるものとお考え下さい。借り換えは、あなたにとっては今までの住宅ローンの延長線であっても、貸し手の金融機関にとってはあなたは全く新しいお客様ということになります。その方に10年とか、20年の住宅ローンを貸し付ける訳であり、新規住宅ローン貸出となんら変わりないのです。
従って、ローン審査が通常案件として行われると思ってください。あなたに関する属性審査をはじめ担保評価など一通り行われます。その中に信用情報機関への登録内容照会が当然に含まれます。そこでかつて遅延したことが事故情報として搭載されていると貸し手にあなたのマイナス情報として伝わり、貸出否決となることがあり得るのです。又、資金使途が借り換えですから、今までの返済実績(例えば、直近1年間の返済実績を口座引き落とし実績でみるために預金通帳のコピーを提出)を重視される場合もあることを考慮しておいてください。
1回だけ電話で督促を受けたことがあり直ぐに返済したことがあるが、これでも駄目かと問われれば、それは金融機関の判断によります。とだけしかここではお答えできません。要は、信用情報機関に連絡が行っていれば載るでしょうし、連絡が行ってなければ載らないでしょうし、預金通帳重視の審査方針を採る金融機関の場合もあるでしょうし。このあたりは金融機関各社の審査方針に関係する大変微妙な問題ではあります。
以下は次回に続きます。「10年前、住公でローン組んだ人いませんか??②」として借り換えに必要な諸費用額と借り換えに有効な条件を満たす住宅ローンを実際に探してみます。
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